日本版DBSで事業者が必ず取り組むべき対応とは?制度概要から実務・注意点まで徹底解説

日本版DBSとは何か|事業者に求められる新たな責任

日本版DBS(Disclosure and Barring Service)とは、
主に子どもや要配慮者と関わる業務に従事する人材について、性犯罪などの重大な犯罪歴の有無を確認する制度です。
イギリスのDBS制度を参考に設計され、日本では保育・教育・介護・医療・福祉・スポーツ分野などを中心に導入が進められています。

この制度の最大の特徴は、事業者が主体的に取り組む義務・責任を負う点にあります。
単なる「チェック制度」ではなく、利用者の安全確保と個人の人権尊重を両立させる高度なコンプライアンス対応が求められます。

 

事業者が取り組むべきこと① 対象業務・職種の明確化

日本版DBS対応の第一歩は、どの業務・職種が確認対象になるのかを明確にすることです。

▶️ 子ども・高齢者・障がい者と直接接触する業務か
▶️ 継続的・反復的な関与があるか
▶️ 単発・間接業務ではないか

無差別に全従業員を対象とすることは、過剰取得として違法となるリスクがあります。
事業者は、業務内容を精査し、合理的な範囲で対象を限定しなければなりません。

 

事業者が取り組むべきこと② 本人同意の適切な取得

犯罪歴情報は、最も慎重に扱うべき要配慮個人情報です。
そのため、日本版DBSでは本人の明確かつ自由な同意が不可欠となります。

事業者が行うべき対応は以下の通りです。

▶️ 取得目的を具体的に説明する
▶️ 利用範囲・判断基準を明示する
▶️ 同意しない場合の不利益がないことを説明する
▶️ 書面による同意を取得する

形式的な同意ではなく、「説明責任を果たしたうえでの同意」でなければ、後に無効と判断される可能性があります。

 

事業者が取り組むべきこと③ 社内規程・運用ルールの整備

日本版DBS対応では、社内ルールの整備が極めて重要です。
属人的な判断や現場任せの運用は、大きなリスクを伴います。

整備すべき主な規程・ルールには以下があります。

▶️ 犯罪歴情報の取得・管理規程
▶️ 閲覧・管理できる担当者の限定
▶️ 保管期間・廃棄方法
▶️ 採用・配置判断の基準

これらを文書化し、社内で共有することで、不当な差別や恣意的判断を防止できます。

 

事業者が取り組むべきこと④ 個人情報保護とセキュリティ対策

犯罪歴情報は漏えいした場合、事業者の社会的信用を一瞬で失わせるリスクがあります。

そのため、以下のような対策が必須です。

▶️ アクセス権限の厳格な管理
▶️ 紙・電子データの分離保管
▶️ 社内教育・研修の実施
▶️ 外部委託先の管理・契約整備

個人情報保護法だけでなく、個人情報保護委員会のガイドラインも踏まえた対応が求められます。

 

事業者が取り組むべきこと⑤ 判断後のフォローと継続的見直し

日本版DBSでは、「犯罪歴がある=即排除」という単純な運用は認められていません。

▶️ 犯罪内容・経過年数の考慮
▶️ 業務内容との関連性の検討
▶️ 配置転換・業務制限という選択肢

事業者には、合理性と公平性のある判断プロセスが求められます。
また、制度や法令は今後も見直される可能性が高いため、定期的な運用チェックと専門家相談が重要です。

 

まとめ|日本版DBSは「安全配慮義務」と「人権配慮」の両立が鍵

日本版DBSは、利用者を守るための重要な制度である一方、事業者にとっては新たな責任とリスク管理が求められる制度です。

🔶 対象業務の適切な限定
🔶 本人同意の厳格な取得
🔶 社内規程と運用体制の整備
🔶 個人情報保護の徹底
🔶 継続的な見直し

これらに体系的に取り組むことで、信頼される事業者としての価値向上にもつながります。