意外と知らない、もらった名刺の情報は誰のもの?

皆さん、仕事で名刺交換したことありますよね?

仕事をしていれば誰もが経験するものだと思います。

 

ただ、意外と皆さん認識・見解が分かれるのが「もらった名刺って誰のもの?」という点です。

実はこの部分を疎かにすると従業員の退職後のトラブルや下手すると情報漏えいの騒ぎと言った大きなトラブルに発展する可能性があります。

 

今回は「名刺」に焦点を当てた話をしたいと思います。

 

【そもそも誰のもの?】

そもそもの話ですが、サラリーマンの人が名刺交換でもらった名刺は誰のものなのでしょうか。

①:直接もらった人のもの

②:もらった人が所属する会社のもの

③:名刺に書かれた個人情報本人のもの

正解は②になります。

会社の業務で名刺を交換しているわけですから、名刺をもらった人のものではなく、あくまで会社のものになります。

交換した名刺=自分のもの。と考える人が多いですが、そもそものところを間違っているケースが多いので注意です。

ここを間違っていると、会社も名刺をもらった人もその個人情報の扱いにおいて、トラブルを起こしてとんでもないことになってくる可能性があります。

 

だからこそ、会社で名刺の管理ルールはしっかり定めておいて、従業員に周知する必要があります。

個人任せになっていることも多いかと思いますが、最低限NGなことだけでも定めておいた方が無難と言えます。

例えば、個人的に使っている名刺管理アプリに会社で名刺交換した人の情報を登録しない。等になります。

 

 

【名刺に書かれた個人情報の利用目的】

次に名刺に書かれた個人情報の扱う上で利用目的です。

利用目的については別の記事でもご紹介しているのでそちらもご参照ください。

参照:個人情報の利用目的ってどんな感じにすべきなの?

 

名刺情報の利用の目的ですが、基本的には「相手に連絡するため」「メルマガ等での情報提供」が主になるかと思います。

ここでも注意すべきなのは、あくまで自分が所属する会社として連絡をする、自社のサービス等に関する情報の提供を行う。です。

間違っても、相手が了承をしていないのに個人的・プライベートな連絡をすることはNGになります。

また、会社のものである以上、退職時には返却する必要もあります。

 

従業員の退職後に辞めた人が自身が持っていた名刺や名刺管理アプリ内に登録していた名刺情報を利用して営業を活動を行った。というトラブルは意外と多くあります。

 

営業を受けた側から言われれば話が早いのですが、辞めた人がいた会社からすると名刺が不正競争防止法に定められたいわゆる「営業の秘密」に該当するかが問題にもなります。

意外にも裁判例においても、会社を退社した役員による名刺帳持ち出し行為について、営業の秘密の該当性が争われた件について、『名刺記載情報が非公知とはいえず、同名刺帳に有用性・秘密管理性は認めれず、営業秘密ということはできない』(東京地方裁判所平成27年10月22日)と判示しています。

 

【退職時注意すべき点】

最後に退職時に名刺の扱いでトラブルにならないようにするために会社がどうすべきかです。

まず法律等で名刺を会社に返却しろ!と強要することは出来ません。上記に書いた判例にもあるように営業秘密とは言い切れない状況なので、あくまでお願いベースになります。

ただ、辞めた後にトラブルになるような事態は避けなければなりません。

そのためにも少なからず管理のためのルール作りや辞める時に誓約書などで返却・データでもっているものは削除してもらうようなことをきっちり対応しておくことが大事になります。

 

たかが名刺かもしれないですが、名刺1つで情報漏えいだ。とも言える時代でもあるので。しっかりと個人情報として管理することが重要です。