新型コロナウイルス感染者との接触を探知する携帯アプリについて個人情報保護の観点からの考察

昨日のニュースで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、感染者との接触をスマートフォンのアプリで把握できるようにする実証実験を、官民の協力で近く始めるを公表しました。

個人情報保護の観点から懸念事項があるとニュースでも奉じられていますが、これはどんな観点で問題になるのでしょうか。

利用者からするとどこに新型コロナウイルスの感染者がいるかが把握できるから助かる。という方もいるかと思います。

現状は同意者のみを対象に始める。とのことでが、個人情報保護の観点からは問題があります。

 

今回はこれから始まる予定の感染者探知のアプリについて個人情報保護の観点からどんな問題があるのか触れていきたいと思います。

 

【どこが問題なのか】

まず個人情報保護の観点どんな問題があるかと言うと、このアプリに登録される新型コロナウイルスに感染した。という情報を登録することが個人情報保護法でいう「要配慮個人情報」となるわけです。

具体的には病歴に該当するため、要配慮個人情報となってきます。

別の記事でも解説している通りで、要配慮個人情報は社会的差別につながってしまう可能性がある情報です。

仮に新型コロナウイルスに感染していることが周りに知られてしまうと差別等されてしまう可能性があります。

感染した本人からしても、周りに公表したりしたくないとも思います。

ですから、国もあくまで同意を得た人からのみを対象にすることにしています。

 

 

【どう管理されるのか】

具体的な管理・通信方法を取るかはこれからの話になるかと思いますが、そのアプリがどこまでの個人情報を収集するかによって個人情報の重みが変わってきます。

仮に新型コロナウイルスに感染した事実だけではなく、そこに氏名などの個人情報を入力し、登録した場合だと、どこの誰が新型コロナウイルスに感染しているかの情報をアプリを管理するサーバ上で持つことになります。

発表内容では距離無線通信「ブルートゥース」を使って相手の情報を匿名で蓄積する仕様のようです。

氏名と病歴が直接紐づかないのでしょうが、少なくともなんらかのIDと病歴で識別することにはなります。

最初の登録時だけでも氏名などの個人情報を取得していればどこかで誰が新型コロナウイルスに感染しているかの個人情報を保持することになります。

また、スマートフォンのGPSを利用して位置情報は取ることになるはずなので、行動履歴の監視やそこから個人を特定することが可能になります。

 

どちらにしても個人情報または個人情報になり得るもの持つことになってきます。

これを民間の会社が管理することになるでしょうし、クラウドでの管理になる可能性も高いため、情報セキュリティがしっかり行えていないと下手をすればインターネット上に要配慮個人情報を含む個人情報が漏えいしてしまう可能性があります。

 

【まとめ】

新型コロナウイルスの感染情報はおそらく全国民が知りたい情報だと思います。

いま自分がいる場所は人が多いから感染者がいるんじゃないか。と・・・

実際、感染しても外を出歩いて問題になっていることはテレビなどでも報道されています。

だからと言って、無制限に個人情報を収集し、利用し、提供することは別の問題を引き起こすことにもなるので、しっかりとした設計・管理・運用が必要になってくるものと思います。