LPガス災害バルク等の導入補助金

大規模な災害等が発生したときに、系統電力、都市ガス、水道の供給が途絶した場合でも、
避難困難者が多数生じる医療施設、福祉施設、公的避難所はライフラインの機能を維持することが求められます。

しかし災害により地域が孤立した場合、援助が被災地まですぐには届かず、ライフライン復旧までに3日間程度のエネルギー備蓄が必要だと言われています。

そこで、災害時に電気やガス等の供給網が途絶した場合でも、貯蔵されている「石油ガス(LPガス)」によりエネルギー供給を可能とする
耐震性や安全性に優れた災害対応型のLPガス供給システムである「LPガス災害バルク」を導入することで、
災害時に避難所等で電気、給湯、炊き出し、冷暖房などの提供が可能となります。

一般財団法人エルピーガス振興センターは、国の補助金の交付を得て自衛的な燃料備蓄のために
LPガス災害バルク等の設置に要する経費の一部を補助することにより、災害発生時においても、これら施設等に対するLPガスの安定供給の確保を図り、その機能を3日間以上維持させることを目的としています。

 

➤申請の公募期間について

現時点では直近の公募が出ておりませんので、令和5年度の情報を記載しております。

➤申請者の資格

①補助金の対象となる設置施設を所有又は運用・維持・管理する者で「LPガス災害バルク等」を購入、又はリースを受けて当該場所に設置する者
②「LPガス災害バルク等」を購入し、補助金の対象となる設置施設を所有又は運用・維持・管理する者にリースし、当該場所に設置する者
③中小企業として申請する場合
(1)直近3年度分の課税所得額が確認出来る下記いずれかの書類が必要
1.納税証明書(その2 所得金額用)
2.税務署の受付印がある申告書で「課税所得」の記載があるもの
3.電子申請の場合は、送信データの控え+受付日・受付番号が記載された書類
(2)株主構成を確認出来る書類
④個人で申請する場合
直近2か年分の納税証明書と事業内容を確認出来る書類が必要

➤補助対象施設

①災害発生時に避難場所まで避難することが困難な者が多数生じる施設
・ 医療施設(入院施設がある施設、又は、人工透析クリニック。但し、災害拠点病院、災害拠点精神科病院、
へき地医療拠点病院、へき地診療所、救命救急センター、周産期母子医療センターを除く)
・ 福祉施設(老人ホーム等、障害者施設、並びに0歳児がいる保育所等)

②公的避難所
地方公共団体が災害時に避難所として指定した施設(自治体庁舎、公立学校、公民館、体育館等の公共施設)

③一時避難所となり得るような施設
地方公共団体(都道府県を除く。以下同)が災害時に避難所として使用する旨の協定等を締結した施設(民間企業等が所有する事務所、工場、商業施設、私立学校、宿泊施設、マンションなどの施設又は敷地のうち、地方公共団体が災害時に当該施設等を避難所として活用できることを認知しているもの)

➤補助対象設備(LPガス災害バルク等)

(1)LPガスを貯蔵する容器とLPガス供給に必要な設備
①シリンダー容器で供給する場合
容器は50kg容器とし、6本以上設置すること
②バルク容器で供給する場合
容量が290kg~3000kg未満の機器
※補助対象で購入する容器、機器、設備は全て新品で未使用の物に限ります。

(2)災害により電気、都市ガス、水道が全て停止しても稼働が可能なLPガスを燃料とする機器
①LPガス発電機(コジェネレーション含む)
②LPガス空調機器(GHP等)
③LPガス燃焼機器(コジェネレーション、炊き出しセット、コンロ、炊飯器、ボイラー、給湯器、ガスストーブ、ファンヒーター)
※コジェネレーション、ボイラー、給湯器は本体機器のみ補助対象、給水・給湯用配管は補助対象外
④簡易ガススタンド

➤補助対象経費

(1)LPガス災害バルク等の設備購入費
(2)LPガス災害バルク等の設備の設置工事費 ※直接の工事費以外
①補助対象工事に係る付属の足場や養生費
②バルク容器の基礎工事や防護柵、50㎏容器収納庫等(オーバースペックや美観対策は除く)
③火気との保安距離確保のための障壁

➤補助金の交付限度額と補助率

(1)交付限度額
①LPガスを貯蔵する容器と供給設備のみ:1,000万円
※シリンダー容器の購入は必須ではありません。
※バルクのみを申請する場合、既設のLPガス消費設備があることが要件です。
②上記①+補助対象LPガス設備(次の③を除く):3,000万円
③上記①+発電機(コジェネレーション含)+空調機器:5,000万円

(2)補助率
①補助対象経費の1/2以内
②補助対象施設①のうち、業務方法書第3条第3号に該当する中小企業者の実施する事業は、補助対象経費の2/3以内

➤まとめ

日本は地形・地質・気候などの自然条件から地震・台風・洪水などの自然災害が発生するリスクが高く、毎年のように全国各地で甚大な被害が発生しています。
災害後は迅速なライフライン復旧が求められますが、送電線や導管などのラインで供給する電気や都市ガスは災害後の修復に時間がかかります。
その反面、LPガスは貯蔵が容易で劣化せずボンベでどこでも供給できるため、災害時のエネルギー供給の「最後の砦」とも言われており、導入が促進されています。
いつ起こるか分からない自然災害に備えるために当補助金を用いて「LPガス災害バルク」を導入してみませんか。